堀内 亜理子
「旭川の冬の暮らしを感じてもらえたら」と制作したのが今回のレターセット。旭川のことをどのように表現しようかと悩んだ末,「この街は冬を中心に生活をしている」のではないかという考えに行き着いたそうです。そうした考えのもと,特別な自然景観ではなく,生活の一場面を切り取った写真を使っています。同じく旭川の冬を象徴する「雪」を表現した作品は,走っていくエゾリスの後ろに彼の残した足跡がうっすらと浮かんでいます。「うっすら」とすることで旭川の雪のさらさら感がかわいらしく表現されています。
まじめな性格で「地道なものづくり」しか出来ないと自嘲気味に自分のものづくりについて話す堀内さん。秋田の短大で漆の世界に触れた後,もう少しきちんと勉強したいと岩手の訓練校でさらに2年間,まじめに漆の技能を身につけ旭川に戻ってきました。北海道で上塗り仕事をする人はほとんどいないため,材料や原料の調達,情報交換などに不便は感じながらも,伝統にこだわらず新しいことに挑戦できると言います。そんな堀内さんが開発したのが「辞書弁」。辞書と同じ大きさの漆塗りの弁当箱です。木と漆の弁当箱は湿気を呼吸するため,プラスチックの弁当箱と違って中身がむれず,ごはんもふっくらのままだそうです。大きな弁当箱だとカバンに入らないので,スリムな形でと考え,カバンに入れて持ち歩く辞書の形になったそうです。
漆塗りというと晴れの日に使う物と思われがちですが,日常の生活の中で使って欲しいと堀内さんは考え,弁当箱や箸,アクセサリーなども手掛けています。「暮らしの一部分に自分のつくったものがとけ込んで,使っている人の日常の生活が少しでも豊かになればうれしい」とまじめに話してくれました。