南 美紀子
「北の街,寒い街で楽しむお洒落」をずっと考えていたという南さんが,雪のデザインを思いついたのが三年前。そのデザインに熱中してしまい,本業の服づくりが手につかなくなってしまって,その気持ちを一時封印していたそうです。ワークショップでその思いが再燃し,今回の作品が誕生しました。こだわった旅をしている中高年の女性は,思い出にお洒落に使うものを探しているのでは,という考えも今回の作品には入っています。もっとデザインが自然にとけ込んでいる作品をつくりたいそうです。雪のデザインなのに,とってもあたたかさを感じます。
子どもの頃から洋服をつくりたいという夢を持ち,高校卒業後直ぐに東京の文化服装学院に入学し,洋栽の勉強をされたそうです。その後,銀細工職人の方と結婚され,その仕事を手伝いながらオーダーメイドの服づくりを始めます。「主人が北海道に憧れて」旭川に戻ってきて,お店を出し,洋服づくりの仕事を本格化します。平面裁断の既製服がほとんどの時代ですが,「私達の世代は子どもの頃,オーダーの服しかなかった」と言われ,そうしたオーダーの良さを知っている人達のために,「心地よさ」を追求した服をつくり続けています。既製服の場合,服に体をあわせることになりますが,南さんの服はあくまで「その人のために」つくった服。実際に着た方は「服を着ていないみたい」と感想を述べられるそうです。伸びる素材を多く用いるという南さんの服は,体型をカバーすることにより,ほっそりと見えるようにもつくれるそうです。「売るための服」よりも「着る人のための服」。南さんのあたたかさがいっぱいの服です。