滝本 のり子
今回の作品のテーマは大雪の山とそれにかかる雲。最初は雲だけをデザインした一輪挿しを考えていたのですが,形にならず行き詰まってしまったそうです。その時に「山に雲を乗せたら」というアドバイスをもらって,「なるほど」と思い,この形になったそうです。山も雲も一つ一つ形が違うように,この作品も一つ一つ形が違います。山なら煙が出ていても面白いということで,香炉バージョンも誕生しました。
元々は彫金でアクセサリーをつくっていたという滝本さん。滝本宣博さんとの結婚を機に陶芸を始めました。宣博さんはオブジェを得意とする現代陶芸作家で,のり子さんも遊び心のあるオブジェや一輪挿しなどを中心に制作しています。「丈夫で壊れない」ものづくりがモットーで,「20年前に買った物を今でも使っているよ」というお客さんの声を聞くこともあるそうです。あまりに丈夫なため,「買い替える人が少なくて」痛し痒しだと笑われます。
お二人の理創夢工房の特徴は,磁器系純白粘土に独自に開発した青,ピンク,黒色粘土を混ぜ合わせてつくるというものです。黒色粘土を開発した際に磁器の世界の大きな広がりを感じ,自分達らしさの表現ができるようになったと言われます。
陶芸の楽しさを伝えるため,お二人は精力的に体験教室を開催しています。その活動も自らの工房を飛び出し,学校や幼稚園,高齢者施設などに出向いて教室を開くこともしばしば。陶芸体験では絵付けだけをすることも多いのですが,「つくる楽しみ」を伝えたいと考えるお二人は,独自の色粘土を使って「つくる体験」にこだわった教室を行っています。こうした取り組みを通じて,子ども達が「ものづくり」を職業選択の選択肢として考えてくれるようになればと語ってくれました。